重要文化財
阿弥陀三尊像
高麗
1幅
絹本着色
165.5×91.4cm
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光が織りなす、
異国の祈りのかたち
中央に阿弥陀如来、右前方に観音菩薩、左後方に勢至菩薩を配し、三尊が重なり合うように並び立つ三尊構成の仏教絵画です。

中尊の阿弥陀如来は、通常の来迎印と異なり左右反対の印相をとり、衣には多彩な円形文様が格調高くあしらわれています。



観音菩薩は柳の枝と水瓶を携え、勢至菩薩とともに、肩から美しい布をかけた姿で描かれます。




三尊はいずれも大きな光背をまとい、蓮華の上に尊厳を湛えて立っています。


構図や装飾、色彩には、12〜13世紀の朝鮮・高麗時代の美術様式が色濃く反映されており、日本にもたらされた異国仏画の中でも、とりわけ貴重な遺品といえます。
信仰のまなざしと絵画の美が静かに溶け合い、深い余韻を残す優品です。






光背
仏像や菩薩像の背後に設けられる光の表現。仏の神聖さや霊的な力を示す意匠。
円形文様
円を基礎とした装飾図案。調和や永遠性を象徴する。古代から宗教美術・工芸・建築に用いられてきた。

高麗
朝鮮半島に存在した王朝。仏教を国教とし、中国の宋や元の影響を受けながらも、独自の制度と文化を形成した。918-1392。
来迎印
阿弥陀如来が極楽へ迎えに来るときに結ぶ手の形。往生の確信と安心を与える重要な視覚表現。
三尊構成
仏像や仏画の基本的な配置形式の一つ。中央に主尊(本尊)を置き、その左右に脇侍二体を配する構成を指す。
勢至菩薩
大乗仏教において「智慧」を象徴する菩薩。智慧の光で衆生の迷いを照らし、極楽浄土への導きを助ける存在とされる。

観音菩薩
大乗仏教において「慈悲」を象徴する菩薩。時代・宗派を超えて絶大な信仰を集める。多様な姿で衆生を救済する存在とされる。

阿弥陀如来
西方にある極楽浄土の教主。あらゆる人々の苦悩と疑念を断ち願いを叶える如来。

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